はじめに
秋のG1シーズンに向け、2歳馬たちの戦いが本格化する中、今週末の2025年10月11日(土)に東京競馬場で開催されるのが、GⅢ「サウジアラビアロイヤルカップ」です。
後のG1馬を多数輩出してきた出世レースとして知られ、競馬ファンにとっては見逃せない一戦と言えるでしょう。
この記事では、サウジアラビアロイヤルカップを血統という側面から徹底的に分析し、馬券的中率の向上を目指します。
血統の知識を深めることで、競馬予想の新たな視点を得られるだけでなく、一頭一頭の競走馬が持つ物語にも触れることができます。
開催まであと5日、この記事を読んで万全の準備を整えましょう。
- サウジアラビアロイヤルカップの基本知識と血統傾向
- 東京マイル攻略のための血統分析ポイント
- 2025年版 注目すべき血統パターンと傾向
- サウジアラビアロイヤルカップ有力3頭の詳細血統分析
- サウジアラビアロイヤルカップよくある質問(FAQ)
- サウジアラビアロイヤルカップまとめ
サウジアラビアロイヤルカップの基本知識と血統傾向
レースの歴史と格付け
サウジアラビアロイヤルカップは、1984年創設の『いちょう(特別/ステークス)』を前身とする競走を起源とし2014年に2歳馬対象の重賞として成立した競走です。
その後、2014年に重賞(GⅢ)に格上げされました。
翌年の2015年には日本とサウジアラビア王国の外交関係樹立60周年を記念して現在のレース名に改称されました。
今年は「日本・サウジアラビア外交関係樹立70周年記念」の副題を付して施行されます。
2歳重賞の血統的特徴・傾向
2歳戦、特にキャリアの浅い馬が集まるこの時期の重賞では、完成度の高さや早熟性が求められます。
また、血統的には、父や母父が2歳戦から活躍した種牡馬であることや、母系の血統背景がしっかりしていることが好走の鍵となります。
特に、スピードと瞬発力を兼ね備えた血統が注目されます。
東京競馬場1600m芝の特性
舞台となる東京競馬場芝1600mは、スタートから最初のコーナーまで約 540 m という長い直線を持ちます。
そして、この直線を経てレースが進む性格上、後半直線での瞬発力や切れ味が問われやすくなります。
また、最後の直線も525.9mと長く、高低差2mの坂が待ち構えています。
そのため、先行して粘り込めるスピードと、直線で鋭い末脚を使える瞬発力の両方が求められる、マイラーとしての総合力が試されるコースです。
サウジアラビアロイヤルカップ過去の勝利の特徴
過去8年の勝ち馬はすべてキャリア1戦1勝馬でした。
また、その8頭すべてが前走1500m以上のレースで、上がり3ハロンタイム順位が3位以内という共通点があります。
そのため、キャリアの浅い馬でも、デビュー戦で見せたパフォーマンスが直結しやすいレースと言えるでしょう。
東京マイル攻略のための血統分析ポイント

東京芝1600m適性(先行力・瞬発力バランス)
東京マイルを攻略するには、道中ある程度の位置につけられる先行力と、最後の直線で他馬を突き放す瞬発力のバランスが重要です。
なお、血統的には、サンデーサイレンス系に代表される瞬発力に優れた血統と、キングカメハメハ系やミスプロ系のようなパワーとスピードを兼ね備えた血統の組み合わせが理想的とされています。
2歳馬血統の見極めポイント
2歳馬の血統を見極める上で重要なのは、父の産駒傾向(早熟性など)はもちろん、母父(BMS)の特徴です。
母父は産駒のスピードやスタミナ、気性などに大きな影響を与えます。
特に、母父がディープインパクトのような大種牡馬である場合、その影響力は絶大です。
馬場適性・コース形状適性
開催当日の馬場状態も重要な要素です。
血統によっては、良馬場でこその切れ味を発揮するタイプや、稍重・重馬場を得意とするパワータイプがいます。
例えば、ヨーロッパ血統を多く持つ馬は、力のいる馬場に強い傾向があります。
オッズ・人気と血統の相関分析
サウジアラビアロイヤルカップは、過去10年で3着以内に入った30頭のうち25頭が4番人気以内です。
これは、比較的堅い決着が多いレースです。
上位人気に支持される馬は、良血馬やデビュー戦の内容が評価された馬が多いです。
また、血統的な裏付けがあるケースが多いです。
2025年版 注目すべき血統パターンと傾向

サウジアラビアロイヤルカップ特有の傾向など
近年、このレースで特に注目すべき血統傾向として「母父ディープインパクト」の活躍が挙げられます。
母父にディープインパクトを持つ馬は、現在3連勝中です。
また、父または母父にディープインパクトの血を引く馬が、サウジアラビアロイヤルカップで現在5連勝中です。
父のスピードを母父ディープインパクトの瞬発力とスタミナで補完する配合が、東京マイルという舞台で最大限に活かされていると考えられます。
早熟性・晩成性の見分け方
血統から馬の成長タイプを予測することは、2歳戦を攻略する上で非常に重要です。
早熟性とは「2歳~3歳前半のうちに完成度が高く、すぐ結果を出しやすいタイプ」を指します。
また、晩成性とは「骨格や体力が整うのに時間がかかるタイプ」を意味します。
そして、見分け方の基本は、まず父の系統を確認することです。
短距離~マイルの先行スピード型
ダイワメジャー、キンシャサノキセキなどは早熟寄りになりやすい傾向があります。
中距離~長距離の体力型
ハーツクライ、ステイゴールドなどは晩成寄りに振れやすい傾向があります。
次に母父(BMS)を見ることで、さらに精度が上がります。
例えば、米国のスピード血統(Storm Cat、Mr. Prospectorなど)が濃い配合は早めに反応できる体が揃いや傾向にあります。
また、欧州のスタミナ血統(Sadler’s Wells、Galileoなど)が厚い配合は息の長い脚が武器となり、完成は後ろにズレる傾向があります。
今回のサウジアラビアロイヤルカップで言えば、リオンディーズ産駒は、3歳以降に勝率が上昇する傾向があり、晩成型と評されることがあります。
なお、モーリス産駒には、晩成傾向がある一方で、2歳戦から好走するタイプも多く見られます。
サウジアラビアロイヤルカップ有力3頭の詳細血統分析
ゾロアストロ(1番人気・ルメール)血統分析
父: モーリス
母: アルミレーナ
母父: ディープインパクト
父モーリスはマイルから中距離でG1を6勝した名馬です。
そして、モーリス産駒には、2歳戦からの活躍が期待される早熟性傾向を持つものが一定数います。
なおかつ幅広い距離にも対応できる万能性も指摘されることがあります。
さらに、母父は、このレースで3連勝中のディープインパクト。
まさに「黄金配合」と言えるでしょう。
母アルミレーナの母はドイツオークス馬ナイトマジックという世界的な良血馬です。
ゾロアストロは、新馬戦では2着に敗れました。
しかし、続く未勝利戦では芝1800mで上がり32.9秒という驚異的な末脚を繰り出して圧勝。
キャリア2戦という点は過去のデータと異なりますが、血統背景と前走の内容から、最も注目すべき一頭です。
さらに、ルメール騎手は、東京芝1600mで勝率30.5%という高い数字を記録しています。
よって、このコースにおける信頼度は非常に高いです。
チュウワカーネギー(2番人気・北村友)血統分析
父: モーリス
母: デックドアウト
母父: Street Boss
ゾロアストロと同じく父はモーリスです。
また、母デックドアウトは米G1アメリカンオークスの勝ち馬という良血です。
母父Street Bossは米国のスプリントG1を制したスピード血統。
チュウワカーネギーは新馬戦では、阪神芝1600mを逃げ切り、上がり33.2秒の末脚で快勝しました。
516kgという雄大な馬格も魅力です。
先行して粘り込む競馬ができれば、ここでも上位争いは必至です。
そして、キャリア1戦1勝というデータにも合致します。
アスクエジンバラ(3番人気・岩田康)血統分析
父: リオンディーズ
母: ハニートリップ
母父: マンハッタンカフェ
父リオンディーズはキングカメハメハ産駒です。
また、2歳G1朝日杯フューチュリティステークスを制しました。
そして、母父マンハッタンカフェは菊花賞や天皇賞(春)、有馬記念などを制したステイヤーです。
なお、アスクエジンバラは新馬戦ではチュウワカーネギーの4着に敗れました。
しかし、その後芝1800mの未勝利戦、オープン特別のコスモス賞を連勝。
レースセンスの高さと自在な脚質が武器です。
なお、新馬戦で同じコースを経験している点も強みと言えるでしょう。
サウジアラビアロイヤルカップよくある質問(FAQ)
Q1: サウジアラビアロイヤルカップで一番注目すべき馬は?
血統背景と前走のパフォーマンスから、1番人気のゾロアストロが最も注目されます。
母父ディープインパクトという血統は、このレースで過去3連勝しており、非常に強力なデータです。
父モーリスは2024年に朝日杯FSをアドマイヤズームで制しました。
よって、2歳G1初制覇を達成したばかりの勢いのある種牡馬です。
ゾロアストロの血統的な強みって何ですか?
一つは、父モーリスのスピードとパワーです。
そして、母父ディープインパクトから受け継いだ瞬発力とスタミナのバランスが最大の強みです。
母アルミレーナの母はドイツオークス(G1)とバーデン大賞典(G1)を制したナイトマジックという世界レベルの良血牝馬で、欧州の名血が流れています。
前走の新潟芝1800mでは上がり32.9秒という驚異的な末脚で圧勝しています。
これは、東京マイルの直線でも切れ味を発揮できる能力を持っています。
Q3: キャリア1戦1勝の馬が有利って本当?
はい、過去8年間の勝ち馬はすべて1500m以上キャリア1戦1勝馬です。
2歳馬のフレッシュな勢いが結果に結びつきやすいレースと言えます。
今年の該当馬ではチュウワカーネギーが該当します。
デビュー戦では阪神芝1600mの新馬戦を逃げ切って勝利しています。
さらに、過去8年の勝ち馬はすべて前走1500m以上のレースで、上がり3ハロンタイム順位が3位以内という共通点もあります。
Q4: 東京競馬場1600mコースで有利な血統は?
サンデーサイレンス系に代表される瞬発力に優れた血統や、キングカメハメハ系やミスプロ系ののようなパワーとスピードを兼ね備えた血統が有利とされています。
特に、母父ディープインパクトは東京マイルと相性が良い傾向にあります。
サウジアラビアロイヤルカップでは過去3年連続で母父ディープインパクトの馬が勝利しています。
また、父モーリス産駒は東京芝1600mで10.3%という好成績を残しています。
よって、コース適性の高さが証明されています。
Q5: 穴馬で面白い馬はいますか?
過去10年のデータでは3着以内馬30頭のうち25頭が4番人気以内と堅い決着が多いレースです。
しかし、血統的な魅力で言えば、アスクエジンバラは人気以上に走る可能性を秘めています。
父リオンディーズは2025年皐月賞をミュージアムマイルで制したばかりです。
また、母父マンハッタンカフェのスタミナ豊富な血統背景は、タフな展開になった際に活きてくるでしょう。
コスモス賞(OP)を勝っており、実績面でも申し分ありません。
Q7: サウジアラビアロイヤルカップの過去の勝ち馬でG1を勝った馬はいますか?
はい、多数のG1馬を輩出しています。
最も有名なのは2018年の勝ち馬グランアレグリアです。
その後桜花賞、安田記念、スプリンターズステークスなどG1を6勝しました。
また、2019年の勝ち馬サリオスは朝日杯フューチュリティステークスを制覇しています。
2022年のドルチェモアも朝日杯FSを勝利。
2017年のダノンプレミアムも朝日杯FSを制しています。
さらに、2015年の勝ち馬ブレイブスマッシュは、オーストラリアに移籍後、フューチュリティステークス(G1)やマニカトステークス(G1)などを制し、国際的に活躍しました。
Q8: サウジアラビアロイヤルカップは何時に発走しますか?
2025年10月11日(土)の発走時刻は15時45分です。
東京競馬場11レースとして施行され、芝1600m(左回り・Aコース)で行われます。
今年は9頭が出走予定で、比較的少頭数のレースとなっています。
少頭数の場合は展開が単調になりやすく、実力通りの決着になる傾向があります。
Q9: サウジアラビアロイヤルカップでは1枠が有利というデータは本当ですか?
はい、過去10年の枠番別成績で1枠は2-1-2-6(勝率18.2%、3着内率45.5%)と最も高い数値を記録しています。
特に2021年以降の過去4年間では、1枠に入った4頭がすべて3着以内に入っています。
これにより、近年の傾向として1枠の優位性が際立っています。
今年の1枠はまだ確定していませんが、枠順発表後は要チェックです。
サウジアラビアロイヤルカップまとめ
サウジアラビアロイヤルカップを血統面から分析すると、以下の3点が重要なポイントとして挙げられます。
母父ディープインパクトの圧倒的実績
近年の傾向から、母父にディープインパクトを持つ馬は最優先で評価すべきです。
父モーリス産駒の勢い
2歳戦から活躍するモーリス産駒は、今年も有力候補を送り込んできました。
キャリア1戦1勝馬の優位性
過去8年のデータが示す通り、特にフレッシュな馬が好成績を収めています。
これらのポイントを踏まえ、馬券を検討する際は、血統背景と過去のレースデータを組み合わせることが的中への近道となります。
本命は血統・実績ともに最上位のゾロアストロ。
対抗にはデータに合致するチュウワカーネギー。
そして、連勝の勢いと血統の意外性からアスクエジンバラも押さえておきたい一頭です。
競馬は知れば知るほど奥深く、面白いものです。
この記事をきっかけに、ぜひ血統の世界にも足を踏み入れてみてください。あなたの競馬ライフがより豊かなものになることを願っています。
🎯 プロフェッショナル分析フレームワーク
血統適性分析
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