はじめに
この記事は、2025年12月20日に行われるターコイズステークス(GIII、中山芝1600m)を、血統分析するものです。
巷の予想に惑わされることなく、中山マイルの牝馬限定ハンデ戦という特殊な条件で真に求められる血統的適性を解き明かし、馬券的中への道筋を示します。
ターコイズステークスは、暮れの中山開催を彩る牝馬限定のハンデ重賞です。
また、中山芝1600mというトリッキーなコース設定と、斤量差が絡むハンデ戦です。
能力だけでは決まらない波乱含みのレースとして知られています。
2025年のターコイズステークスの注目ポイントは、近年の傾向が示す特定の血統パターンが、有力馬たちにどのように反映されているかという点に集約されます。
- ターコイズステークス2025の混戦を極める血統構成
- 過去傾向:ターコイズステークスを支配する血統パターン分析
- 上位人気馬詳細分析:3強の血統的適性
- ターコイズステークス2025注目穴馬候補
- よくある質問(FAQ)
- まとめ
ターコイズステークス2025の混戦を極める血統構成

2025年のターコイズステークスは、例年にも増して混戦模様を呈しています。
有力馬の多くが、中山マイルで実績のあるロードカナロア産駒や、サンデーサイレンス系の血を引く馬たちで占められています。
よって、全体的なレベルは高いと評価できます。
しかし、この混戦を制するためには、単なる種牡馬名だけではありません。
母系に秘められたパワーと持続力という、中山マイル特有の適性を深く掘り下げて分析する必要があります。
過去傾向:ターコイズステークスを支配する血統パターン分析
ターコイズステークスが重賞として設立された2015年以降の好走馬データを分析します。
すると、このレースを攻略するための決定的な血統パターンが浮かび上がります。
中山芝1600mのコース特性と血統的要件
中山芝1600m(外回り)は、2コーナーまでの距離が短く、緩やかに下ります。
さらに、最後の直線に高低差2.4mの急坂が待ち受けるタフなコースです。
このコースで求められるのは、スピードだけではなく、急坂を上りきるパワーと、タイトなコーナーを回る器用さです。
そして、ハイペースになりやすいマイル戦を最後まで走り切る持続力です。
ターコイズステークスを制する「3血統」
過去の勝ち馬・好走馬の血統を見ると、以下の3つの血統的要素が高い相関性を示しています。
Kingmambo系(Mr. Prospector系)の持続力
近年、ターコイズSのトレンドを牽引しているのが、Kingmamboを祖とするMr. Prospector系の血です。例えば、2022年の勝ち馬ミスニューヨーク(父キングズベスト、母父マンハッタンカフェ(SS系))。
そして、2024年の勝ち馬アルジーヌ(父ロードカナロア、母父ディープインパクト)など、Kingmamboの血を持つ馬が好走を続けています。
なお、Kingmambo系は、スピードとパワーを兼ね備えます。
よって、中山のタフな馬場や急坂に対応できる持続力を提供します。
特に、父または母父にロードカナロアを持つ馬は、このコースで圧倒的な実績を誇ります。
パワー型サンデーサイレンス系の底力
日本の競馬界の主流であるサンデーサイレンス系も好走しています。
しかし、重要なのはその質です。
単なるスピード型ではなく、母系に欧州のスタミナ血統や、パワー型の血を持つ馬が目立ちます。
具体的には、母系にNijinsky(ノーザンダンサー)系や、サドラーズウェルズといった欧州のタフな血を持つサンデーサイレンス系が、急坂での底力を発揮しています。
ロベルト系の粘り強さ
中山コース全般で相性が良いロベルト系の血は、ターコイズSにおいても無視できません。
ミスパンテール(父ダイワメジャー、母父シンボリクリスエス(ロベルト系))が2連覇を達成しました。
また、2021年2着に好走したアンドラステの母父もロベルト系です。
ロベルト系が中山のタフな馬場での粘り強さと底力を提供しました。
また、母父にロベルト系を持つ馬は、ハイペースで先行しても粘る傾向にあります。
そして、差しに回っても急坂でグイッと伸びるタフネスを備えています。
上位人気馬詳細分析:3強の血統的適性

今年の有力候補とされる3頭の血統を、上記の「3血統」の観点から詳細に分析します。
ウンブライル (Umbrail)
- 血統構成: 父ロードカナロア(Kingmambo系)。母父ファルブラヴ(Northern Dancer系)。
- 血統的適性: 父ロードカナロアは、Kingmambo系の代表格として中山マイルでの実績は折り紙付きです。
母系は、兄にマイルG1勝ち馬ステルヴィオを出す名牝系です。
中山マイル適性の高さは血統的にも証明されています。
さらに、母父ファルブラヴは欧州型です。
また、ウンブライルはNorthern Dancerのクロスを持ちます。
中山のタフな馬場をこなす持続力とパワーを補完しています。
血統的な死角は極めて少なく、最有力候補の一角と言えます。
チェルビアット (Cerbiatto)
- 血統構成: 父ロードカナロア(Kingmambo系)。母父フレンチデピュティ(Vice Regent系)。
- 血統的適性: ウンブライルと同じく父ロードカナロアを持ちます。
これにより、Kingmambo系の恩恵を享受しています。
また、母父フレンチデピュティは、Vice Regent系に属します。
この血統は、スピードとパワーを兼ね備えた血統です。
この配合は、中山マイルで求められるスピードの持続力と、急坂を乗り越える瞬発力の両方を高いレベルで実現する可能性を秘めています。
なお、チェルビアットもNorthern Dancerのクロスを持ちます。
ビップデイジー (Vip Daisy)
- 血統構成: 父サトノダイヤモンド(ディープインパクト系)。母父キングカメハメハ(Kingmambo系)。
- 血統的適性: 父サトノダイヤモンドはディープインパクト系の中でもスタミナと持続力に優れるタイプです。
そして、母父にキングカメハメハというKingmambo系の血を持つことで、ターコイズSの好走パターンである「Kingmambo系」の要素を内包しています。
サンデーサイレンス系とKingmambo系のバランスの取れた配合です。
よって、中山マイルのタフな流れに対応できる総合力の高さを示唆しています。
なお、ビップデイジーはMr. Prospectorの4 x 5クロスを持ちます。
ターコイズステークス2025注目穴馬候補
人気薄でも血統的に高い期待が持てる、中山マイルの適性を秘めた穴馬候補を2頭紹介します。
リラボニート
・血統構成: 父スクリーンヒーロー(ロベルト系)。母父アグネスデジタル(ミスプロ系)。
・血統的期待: 父スクリーンヒーローはロベルト系です。
よって、中山のタフなコースへの適性は非常に高いです。
さらに、血統表の奥には、大穴の激走を呼ぶニジンスキーやアレッジド(リボー系)の血脈を保持しています。
まさに「3血統」のうちの2つ(ロベルト系、欧州型ノーザンダンサー系)を内包する穴馬の黄金パターンに該当します。
人気薄であれば、積極的に狙うべき一頭です。
ドゥアイズ
•血統構成: 父ルーラーシップ(キングカメハメハ系)。母父ディープインパクト(サンデーサイレンス系)。
•血統的期待: 2024年のターコイズSで3着に入着しています。
そして、5歳馬ながらリピーターとしての資格を持っています。
なお、過去のデータでは、5歳以上の好走馬はリピーターが多いです。
よって、この馬の血統的な適性(父キングカメハメハ系)とコース実績は、人気以上の信頼を置くことができます。
ジョイフルニュース
・血統構成:父ロードカナロア(キングカメハメハ系)。母父Fortify(フォーティナイナー系)
・血統的期待: 中山芝1600mで2戦2勝という抜群のコース実績を持ちます。
これは、Mr. Prospectorの4×5×5クロスが血統にスピードとパワーを与えています。
さらに、父ロードカナロアは「Kingmambo系」の代表格として中山マイル適性は証明済みです。
軽ハンデを活かした機動力勝負から、直線で一気に浮上するパターンがハマれば、人気薄から激走の可能性を秘めた一頭です。
よくある質問(FAQ)
Q1. ターコイズSで最も重要な血統的要素は何ですか?
最も重要なのは、急坂を上りきるパワーと持続力を伝える血統です。
具体的には、近年のトレンドであるKingmambo系(ロードカナロア、キングカメハメハなど)と、中山適性の高いロベルト系)の血を父または母父に持つことが、好走への条件となります。
Q2. ターコイズステークスでディープインパクト産駒はなぜ近年苦戦しているのですか?
ディープインパクト産駒は瞬発力に優れます。
しかし、中山芝1600mは直線の短さと急坂により、瞬発力よりも持続力とパワーが求められるためです。
好走するためには、母系に、パワーを補完する血を持つことが不可欠となります。
Q3. 斤量と血統の関係で注目すべき点はありますか?
ハンデ戦であるターコイズSでは、軽ハンデ馬が好走する傾向にあります。
特に、ロベルト系やMrProspector系など、タフな血統を持つ馬が軽ハンデで出走する場合、そのタフネスがハンデ差を凌駕し、急坂で粘り込むケースが多く見られます。
Q4. 枠順と血統の関連性はありますか?
中山芝1600mは外回りを使用するため、必ずしも内枠が有利というわけではありません。
しかし、タイトなコーナーを回る器用さが求められます。
血統的には、Northern Dancer系やKingmambo系など、欧州的な機動性を持つ血統が、枠順に関わらず器用に対応できる傾向にあります。
Q5. ターコイズステークスで避けるべき血統パターンはありますか?
避けるべきは、母系にパワーやスタミナの裏付けがなく、純粋なスピードのみに特化した血統です。
特に、ダート色が強い米国血統や、欧州の重いスタミナに寄りすぎた血統です。
中山マイルで求められる条件では、急坂で失速するリスクが高くなります。
ターコイズステークスまとめ
ターコイズS2025の予想ポイントは、「Kingmambo系」「パワー型サンデー系」「ロベルト系」という3つの血統的要素の有無になるでしょう。
今年の有力馬であるウンブライル、チェルビアット、ビップデイジーは、いずれもこの3血統のいずれか、または複数を内包しており、血統的な裏付けは十分です。
特に、ロードカナロア産駒のウンブライルとチェルビアットは、Kingmambo系のトレンドを体現する存在として、最上位の評価を与えるべきです。
また、穴馬候補としては、ロベルト系の血を持つリラボニートや、タフな血統を持つジョイフルニュースなど、ハンデ戦の波乱を演出する可能性を秘めています。
血統傾向を把握することで、ハンデ重賞の特性を理解できます。
この分析を参考に、2025年のターコイズSを的中させてください!
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